前回の記事では、ポケモンのランクバトルを始めるときに必要な知識として、非公式のステータスの概要を紹介しました。
- 種族値
- 個体値
- 努力値
- 性格による能力の補正(隠しステータスではないが、育成には欠かせない要素)
今回はこの隠しステータスの仕様を踏まえた、少し実践的なポケモンの育成アドバイスをご紹介します。
「初心者であればこの要点をつかんでおけばOK」という内容に絞っています。
この記事を読んでいただければ、すぐにランクバトル用のポケモンを準備できますよ。
「隠しステータスなんて知らないよ」という方は、ぜひ前回の記事から順にご覧になってください。
もくじ
補足(2022年12月8日追記)
本記事の内容は、現時点最新作である「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」の発売以前に執筆したものです。
一部ゲーム画面のピクチャを掲載しておりますが、「ポケットモンスターソード・シールド」のプレイ画面になりますのでご了承ください。
なお、紹介している内容につきましては、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」でも基本的には共通している知識になっています。
もろもろ、ご理解の上お読みいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
「攻撃」「特攻」はどちらか1つを強化する


相手ポケモンにダメージを与える際、「攻撃」と「特攻」の値によって与えるダメージの量が決まります。
「攻撃」と「特攻」の能力のうち、どれか1つの能力を優先的に伸ばしたほうがバトルで活躍させやすくなります。
理由は主に2つです。
- ポケモンバトルにおいてダメージを与える技は2種類ある
- ポケモンの種族ごとの「攻撃」と「特攻」の能力値の差
これらの理由をもう少し詳しく説明します。
ダメージを与える技の種類
ポケモンバトルでは、相手にダメージを与える技の種類は主に2つあります。
- 物理技
- 特殊技
物理技はポケモンの攻撃種族値、特殊は特攻種族値に応じて相手に与えるダメージの量が決まります。
ではリザードンを例に考えてみましょう。
リザードンは「物理技」よりも「特殊技」を覚えさせるべき
仮にリザードンに下記2つの技を覚えさせる場合どちらのほうが相手に大きなダメージを与えられるでしょうか。
- 「フレアドライブ(以降、フレドラ)」:威力120の物理技
- 「だいもんじ(以降、大文字)」は威力110特殊技
(このとき、個体値や努力値の値、性格による能力の補正は考慮しないとします)
正解は大文字です。

フレドラのほうが大文字より威力が10高いのに?
理由はリザードンの「とくこう(特攻)」と「こうげき(攻撃)」の種族値の違いです。

HP:78
こうげき:84
ぼうぎょ:78
とくこう:109
とくぼう:85
すばやさ:100
リザードンに限らずポケモンの種族値は攻撃か特攻のうち、どちらか一方の値が高いことが多いです。
試しにリザードンのフレドラと大文字のダメージ量の違いを簡単に計算すると 、
- フレドラの威力120*リザードンの攻撃種族値84=10,080
- 大文字の威力110*リザードンの特攻種族値=109=11,990
大文字のほうが技の威力が10低くても、リザードンの特攻種族値が攻撃種族値よりも高いので、大文字のほうがダメージ量が大きくなります。
(注:この計算は相手のポケモンに与えるダメージの実数値を計算する式ではありません。あくまでもリザードンが物理技と特殊技を採用したときにどちらの威力が高いか確認するための式です)
攻撃種族値よりも特攻種族値が高いリザードンは、特殊技を多く採用したほうがダメージ効率がよくなるわけです。
さらに特殊技のダメージ量を多くするためにも、リザードンは特攻の能力値が伸びるように育成したほうがバトルで活躍させやすくなるでしょう。
「攻撃」か「特攻」のどちらか得意な能力を活かす育成がおすすめ!
先述したとおり、ポケモンの種族値は攻撃か特攻のうち、どちらか一方の値が高いことが多いです。
バトル用ポケモンは、攻撃と特攻の種族値が高い方の能力を優先的に強化するのがおすすめします。
たとえば攻撃種族値が特攻種族値よりも高いポケモンのおすすめの育成方法は以下です。
- 攻撃の個体値が最高(31)の個体を選ぶ
- 攻撃に努力値を多く配分する
- 攻撃に上昇補正がかかる性格の個体を選ぶ
- 物理技のみを採用する
小学校時代にたとえるとするなら「勉強もスポーツもそこそこ」よりも、「かけっこだけは県内でも3本指」みたいなほうがヒエラルキーの上位層にいるみたいな感じです。

ポケモンも攻撃と特攻のどちらかを「トガらせた」ほうがエースになれます!
効果的な性格の選び方
ポケモンの性格を選ぶとき意識したいことは「もったいない性格補正をしないこと」です。
言い換えると、基本的にポケモンの種族値のうち優れているところに性格による1.1倍の上昇補正をかけたほうがいいということ。
リザードンは「特攻」か「素早さ」を1.1倍にするのがおすすめ
たとえばリザードンの場合、攻撃・防御・特攻・特防・素早さの能力値のうちどれを1.1倍にしたほうがいいでしょうか?

リザードンは攻撃よりも特攻が優秀だから、攻撃ではなさそうだけど、、、
ほとんど正解です。
リザードンの場合、特攻か素早さに1.1倍補正をしたほうが効果的です。
リザードンのそれぞれの能力を1.1倍してみるとわかりやすいです。
- リザードンの特攻種族値(109)を1.1倍したときの伸び幅→109*1.1ー108=10.9
- リザードンの素早さ種族値(100)を1.1倍したときの伸び幅→100*1.1ー100=10
- リザードンの防御種族値(78)を1.1倍したときの伸び幅→78*1.1ー78=7.8
このように、そのポケモンの種族値の中でもともと優秀な部分に1.1倍の補正をかけてあげたほうが能力値の上げ幅が大きくなります。
当たり前といえば、当たり前なんですが・・・
よって「リザードンは防御面が弱いから、防御に1.1倍補正してあげよう!」なんてことすると、
能力値の上げ幅を損してしまうことになります。
基本的にはそのポケモンの強みとなる部分に1.1倍の補正をするようにしましょう。
「素早さ」を伸ばすのは大切

ちなみに、あるていど素早さ種族値が高いポケモンは、素早さに1.1倍の補正をかけて努力値も最大量(31)を配分することが多いです。
仮にそのポケモンの能力の中で素早さが一番優秀な能力でなくてもです(リザードンも該当!)。
理由としてはポケモンバトルは相手よりも早く行動して技を出すことが大切だから。
ポケモンバトルにおける素早さの大切さや、ポケモンが行動する順番については以下の記事で説明しています!

ポケモンの素早さの能力値を最大まで上げることを「最速」と表現したりします。
【注意点】耐久を上げたいときの努力値の配分

「ポケモンの耐久を上げたい」というときの努力値の配分にについては注意が必要です。
努力値を防御と特防にを配分するのは少し効率が悪くなる場合があります。
ここでは、ポケモンの耐久力を上げるための努力値の配分について簡単に説明します。
最も耐久力が高いのは「HPの値=防御の値+特防の値」のとき
ポケモンは「HPの値=防御の値+特防の値」になるとき、耐久の効率が一番よくなるというのが通例です。
(あくまで「よく言われている」というレベルのもので、正解ではありません。)
ポケモンの耐久は、縦と横の長さの合計値が決まっている四角の面積によく例えられます。
このとき、縦の長さが「HP」、横の長さが「防御+特防」です。
たとえば縦と横の合計値が10になる3パターンの四角の面積を考えます。
- 縦2*横8=16
- 縦4*横6=24
- 縦5*横5=25
このように縦と横の長さが等しいとき、四角形の面積は最大化されます。
ポケモンの耐久も同じように考えます。
つまりHPと防御と特防の和が等しくなるにつれ、ポケモンの耐久効率は良くなります。
HPに努力値を配分したほうがいいポケモンがほとんど
先述したように「HPの値=防御の値+特防の値」のときポケモンの耐久効率は最も高くなります。
ただしほとんどのポケモンは、仮にHPに最大の努力値(252)を配分したところで、防御の値+特防の値に届きません。
つまりおおよそのポケモンはHPに努力値を配分すれば、おのずと耐久効率は上がります。
さらに効率以上に耐久力を上げたい場合は、HPに加えて防御や特防に努力値を配分すればOKです。
ちなみに効率よく耐久を上げたいときに、HPではない能力にも努力値を配分したほうがいいポケモンの代表はカビゴンです。

HP:160
こうげき:110
ぼうぎょ:65
とくこう:65
とくぼう:110
すばやさ:30
カビゴンはHPに努力値を最大限(252)配分すると、「防御の値+特防の値」を超えます。
そのためHPに加えて防御か特防に努力値を配分したほうが、耐久効率が高くなります。
その際、特防じゃなくて防御を強化したほうがいいことは直感的にわかるのではないでしょうか。
個体値は「ダメかも」を選ぶことがある

ポケモンの個体値には0〜31までがあります。
各能力値を最大限高める場合、種族値が31であることが必須です。
ゲームの画面では「さいこう」または「きたえた!」の状態になります。
ただしあえて個体値0するときもあります。
ここでは、あえて個体値0(ダメかも)を選択する理由をご紹介します。

【理由1】トリックルームのときに早く行動したい
1つめの理由は、トリックルームの状態のときに早く行動するためです。
トリックルームの状況下では基本的に素早さの能力値が低い順に行動します。
素早さの能力値をできるだけ低くするには、素早さの個体値0である必要があります。
【理由2】「混乱」のときの自傷ダメージを最小限に抑えたい
2つめの理由は、「混乱」による被ダメージ量をできるだけ小さくするためです。
「混乱」のときの自傷ダメージ量は、そのポケモンの攻撃の能力値に応じます。
少しでも被ダメージ量を抑えるには攻撃の個体値0である必要があります。
ただし、これは主に特殊技を使用するポケモンの場合です。

個人的に素早さ個体値0のポケモンをゲットすることはこだわってもいいと思います。
ポケモンの行動順は勝敗に大きく影響するから!
攻撃個体値0はポケモンの厳選がめんどくさければ、こだわらなくてOKです。
「混乱による被ダメージで負けた!」ということは決して多くはないので。
【補足】6つの能力の俗称がある

ポケモンの5つの能力、HP・攻撃・防御・特攻・特防・素早さには俗称があります。
それぞれアルファベット1文字で略す以下のような方法です。
- HP→H
- 攻撃→A
- 防御→B
- 特攻→C
- 特防→D
- 素早さ→S
公式の表現ではありませんが、個人の攻略サイトやYouTubeなどでは頻繁に使われています。
ポケモンの育成記事を見る場合は、覚えておくと便利です。
まとめ

今回はこの隠しステータスの仕様を踏まえた、少し実践的なポケモンの育成アドバイスをご紹介しました。
本記事の内容は、あくまでも初心者の方が「こんなふうにポケモンを育成すればOK!」という内容です。
ポケモンの育成方法はさまざまあるので、決して唯一の正解というわけではありません。
それでも「これだけ知っていればスムーズにバトルを始められる」という内容に絞っています。
「できるだけ早く自分が用意したパーティでランクバトルで勝ってみたい!」という方はぜひ参考にしてみてください。