
やりたいことはあるけど、失敗が怖くて行動できないよぉ
行動できなかったことへの自己否定→なおさら腰が重くなる→さらに自己否定、という負のスパイラル。
気づいたら数ヶ月も経っていて、成果を出している周りの人たちと比較して、劣等感まみれ。
こんなことはありませんか?
特に、慎重で完璧主義の方に多いのではないでしょうか。
すぐ行動できる人になるためには、コツがあります。
それは、人間の脳の仕組みを理解することです。
今回は、なにかと先延ばしにしがちな方に向けて、すぐに行動するための方法を5つご紹介します。
本記事の内容は、こちらの図書を参考にしています。

「やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ」(著:大平信孝 かんき出版)
この記事では、この本で紹介されている内容から、特に「完璧主義で自己肯定感が低い」あなたにピッタリなメソッドに厳選してお届けします。
なにを隠そう、私も完璧主義で自己否定が多くなりがちな性格です。
すぐ行動できない方の気持ちが痛いほど分かります。
一緒に脳の仕組みを学んで、少しでも行動できる人になっちゃいましょう!
もくじ
人間の脳について

そもそも、人間がすぐに行動に移せない理由は「やる気の大きさ」や「性格」のせいではありません。
原因は「ヒトの脳の仕組み」です。
人間の脳はとてもめんどくさがり屋です。
命に別状がない限り、脳は現状を維持しようとする性質があります。
なにか新しいことや、難しい課題に取りかかろうとしても、なかなか行動に移せなくて当然です。
行動できる人になるためには「脳の仕組み」を理解して、脳みそを直接その気にさせる必要があります。

人間の脳には「側坐核」という場所があります。
この側坐核が刺激されると、意欲を高めたり、楽しいと感じる「ドーパミン」というホルモンが分泌されます。
つまり、側坐核を刺激することが、すぐに行動するためのスイッチになります
ただし、「やしやるぞ!」といった思いだけでは、側坐核のスイッチはオンになりません。。
側坐核は「行動に着手する」ことで、初めて刺激を受けます。

いやいや、そもそも「行動に移せない」から悩んでるんだけど。。。
大丈夫です。
「行動」といっても、ほんの小さなアクションでも側坐核は刺激を受けるのです。
前置きが少し長くなってしまいましたが、それではすぐに行動するための方法を5つご紹介します。
1 とりあえず10秒だけ行動してみる

完璧主義の方が、思うように動き出すことができない理由は、「しっかり計画して効率的にこなしたい」とか「失敗したくない」という思いがあるからではないでしょうか。
頭の中で「ああでもない、こうでもない」と考えるだけで、人間のエネルギーは消費されて、疲れて行動できなくなります。
そんなときには、「とりあえず10秒だけでも行動してみる」のがおススメです。
人の脳には「可塑性(カソセイ)」という性質があります。
可塑性とは、大きな変化は好まず、小さな変化は受け入れることができるという脳の性質です。
つまり、10秒という小さなアクションであれば、その変化に脳は対応できるのです。
たとえば、「筋トレしてムキムキになる」という目標があるとします。
目標が決まったら、運動着の準備とかジムの入会方法とか、あれこれ考えずにその場で10秒だけ腕立て伏せをしてみてはどうでしょうか。
たった10秒のアクションであれば、心に傷を負うような失敗なんてしないですよね。
失敗せずヘコまないからこそ、次の行動にもつながります。

10秒やってみて、スムーズにできたなら、そのまま続けてしまいましょう。
仮に、「腕立て伏せをしたのに、変なところに痛みが出た」というのであれば、それから正しいフォームを教えてくれるジムの入会を検討すればいいのです。
こうした小さなフィードバックがあれば、次の行動を起こしやすくなります。
やる気が起きるのを待っていても行動はできません。
「まずは、ほんの小さくでも動く」ことで、やる気が後からついてきます。

どんなに些細なことでも行動できると、自己肯定感UPします。
2 作業の中断前に再開時にやることをメモしておく

せっかく集中し始めたけど、急に周りから話しかけられたり、来客があったりで作業を中断しなければならない。
「再開しようとしたけど、なんか身が入らない」なんてことはありませんか?
トラブルなしでモノゴトをこなしたい完璧主義にとって、予想外の出来事は天敵ですよね。
作業をスムーズに再開するにはコツがあります。
再開後に最初に取りかかる作業をメモしておくことです。
一度作業を中断したときに、なかなか集中ができなくなる理由は、「再開後になにをするか?」が分からなくなるからです。
「さて、なにから始めるんだっけ?」という迷いが集中力を奪います。

作業の再開時に「〇〇からやる!」というメモがあれば、スムーズに作業に戻れる確率が高まります。
先ほどご紹介した「10秒だけでも行動する」のコツも合わせると効果がアップします。
「すぐに〇〇さんに返すメールを作る」
「すぐに資料Aを見る」
といったように、10秒程度の小さなアクションのメモでOKです。
それくらい小さな行動でも、側坐核は刺激を受けます。
また、このメモを書いたら、パソコンのキーボードの上など、目がつきやすい場所に置いておくと効果的です。

常に手元にフセンを用意しておいて、メモを書いたら目立つところに貼るのがオススメ。
3 いろんなことが気になり始めたら紙に書き出す

仕事・家事・育児、全てを卒なくこなしたいものですよね。
といっても、仕事中にご飯のしたくや、子どもの塾の送迎など、あれもこれも気にして目の前の作業に集中できていなくはありませんか?
こんなときは、気になっていることを紙に書き出すのがおススメです。
頭の中でゴチャついた考えも、紙に書いて「見える化」すると、ビックリするくらい扱いやすくなります。
見える化の手順は2ステップです。
- 気になっていることは思いのまま書き出す(箇条書きがおススメ)
- その1つ1つに対処法を書く
たとえば、
・ご飯のしたく → 帰りにスーパーに寄る
・子どもの塾の送迎 → 妻(夫)に頼む
メモに書き出すことで、自分の感情や思考を客観的に見ることができてスッキリします。
これを心理学では、「メタ認知」といいます。
「自分はこう考えているということを、自分で認識している」という状態です。
イメージとしては、別の次元から自分を見ているような感じです。

自分の状況を俯瞰することで、思考がスッキリして、目の前の作業に取りかかりやすくなります。

気になったことを書きなぐれる紙を机に用意しておくと、すぐに「メタ認知」できます。
4 できていることに注目して部分点をあげる

「ダイエットをしていたのに間食しちゃった。」
「今週ブログの更新をするはずだったのにできなかった。」
こんなことがあると「自分はダメなやつだ」と、ついつい自分を批判していませんか?
反省は大切なことですが、あまりに自分に厳しすぎると自信がなくなります。
そうすると、次の行動を起こす気力がなくなってしまいます。
そんな負のスパイラルから抜け出す方法があります。
紙に些細なことでもいいから「自分ができていること」を書き出すことです。
「できなかったこと」ではなくて、「できていること」に着目するのが大事です。
たとえば
・1ヶ月前と比べれば間食の量が減った
・更新はできなかったけど下書きは編集できた。
自分の成長を紙に書いて具体的に認識することで、次の行動へのモチベーションアップにつながります。

ポイントとしては、自分に部分点をあげるイメージです。
いつも理想で完璧な状態と現状の自分を比較してしまうと、自己肯定感が下がってしまいます。
完璧にモノゴトが進むことなんて滅多にないです。
「自分はダメなやつだ」と感じているときも、実はできていることがあります。
部分点をあげるコツは、自分が考えうる最悪の状況と現状を比べてみることです。
そうすると、「自分ができていること」が見つけやすくなります。
5 取り組み内容を細分化する

「1年以内に体重を20キロ減らす!」
「簿記1級をとって転職する!」
こういった(自分にとって)完璧で大きい目標を掲げることは大切です。
でも、目標はできたものの「現状からかけ離れすぎてて、いざ何から手をつけたらいいか分からん。。」状態になったりしていませんか?
結局なにも動き出せずにいると、自己肯定感がまた下がってしまいます。
そんなときには、目標と行動の細分化がオススメです。
ダイエットを例にすると
「体重を1年以内に20キロ減らす」
↓
「半年で10キロ減らす」
↓
「3ヶ月で5キロ減らす」
といったように、最終目標までの途中の目安となる小さい目標を設定します。
次に、目標を達成するための行動も細分化します。
3ヶ月で5キロ減らすためには、
「間食をやめて運動する」
↓
「間食は毎日から週3日だけにする」
「ウォーキングから始める」
↓
「お菓子を買わないようにむやみにコンビニに行かない」
「ウォーキングシューズを買う」
↓
「どんな靴が合うか分からないからとりあえず10分歩いてみる」
取り組み内容が大きすぎると億劫になりますが、小さいかたまりに分解すると、途端に行動のハードルが低くなります。
「デカい目標を掲げたが、何すればいいか分からん!」という方は、ぜひ目標や行動の細分化をしてみてください。

10秒で行動できる内容まで細分化するのがオススメ。
【番外編】 気分転換の方法はあらかじめ決めておく

何か新しいことを始めると、行動したぶんだけ、失敗する回数も増えます。
失敗したら誰でも落ち込みますよね。
そんなときは気分転換が重要です。

そんなん当たり前じゃん!
大事なのは、あらかじめ「何で気分転換をするか」を決めておくことです。
行き当りばったりで「何で気分転換しようかな?」と考えていると、完璧主義な方は「そのとき最も効果が高い気分転換方法」を考え込んでしまいます。
あれよあれよと落ち込んでいる状態で時間が流れていきます。
そうならないために、所要時間別の気分転換方法を前もって決めておきましょう。
たとえば、
- 数分間 → 散歩・おやつ・ストレッチ
- 30分間 → ゲーム・読書
- 数時間 → 映画鑑賞・友人と食事
こうすることで、すぐにリフレッシュ方法を時間や場所に応じて選べるので、心身の復活が早くなります。
まとめ

今回は、完璧主義の方向けのすぐに行動に移すコツを5つご紹介しました。
ポイントとしては、「何事も小さく捉えること」だと思います。
・10秒でできることから始める
・少しでも自分に部分点をあげる
・目標を小さく分解する
なにもかも完璧にこなそうとすると、やることが膨大になって、頭がパンクして動き出せなくなります。
失敗しない程度に、小さく始める。
少しでもフィードバックがあると、次に活かせる。
そういった好循環を作り出すことが重要だと感じました。
今回は「やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ」(著:大平信孝 かんき出版)の内容を参考に記事を作成しました。
この本の内容から、「これは私みたいな完璧主義な方が特に参考になるぞ!」という部分を厳選して、この記事を作成しました。
本書籍は、科学的な根拠をもって「すぐやる人」になるコツがまとめられています。
科学といっても決して難しい内容ではありませんでした。
さし絵も文章の内容をわかりやすく表現していて、とても読みやすかったです。
また、著者の大平さんの語り口調がとても温和です。
「落ち込みやすいから優しくアドバイスしてほしい!」という方には特にオススメの本です。
私が、本記事で紹介した内容以外にも、「なるほど!」と思わせてくれるようなコツがまとめられているので、よかったら読んでみてください。
今回も最後までありがとうございました!